ACE COMBAT オリジナルSS投稿スレッド(3)
前スレッド No.83
- 14 レレレのイッポ 2005/07/11 Mon 21:25:45
- ぼくが最後になってしまったので、ここに新スレを立てます。
- 15 HIROKI 2005/07/16 Sat 23:21:33
- 『イタチザメVSネコ&ワシ&ハヤブサの戦いではどちらが勝つでしょう?』
『・・・楽しいか?HIROKI』
『実はすごく』
−−−−−−−−−−−−− 「トム猫は眠らない」(part3)
「・・・マジですか?」
「ええ、事実ですよ。みぃとろさん」
帰投してすぐに後方勤務部長に呼び出され、話を聞かされた私は思わずつぶやいた。今、この人はなんて言った?
デスクに座って、こちらに穏やかな顔を向けるのは小沢公成。サングラスで表情を隠しているが、今その顔に浮かんでいるのは微笑だ。
後方を取り仕切る彼のまぶしい微笑も、私の視界が暗くなるのは止められないらしい。
自分の顔が笑顔から戻らない・・・。
「・・・新手のオーシアンジョーク?」
小沢は首を横に振り、もう一度繰り返した。
「いいえ、事実ですよ。HIROKIさんが武器商人に用意させた特殊使用のF-20G。あの特殊カラーを正式に認めます。」
HIROKIよ、お前の気持ちはよくわかった。わかったからこの頭痛付きの悪夢を終わらしてくれ。
なお、当のHIROKI本人は自分の部屋で泣き寝入りをしている。(呪術の実行中という可能性も有り)
「あの塗装にはわずかですが、ステルス性を持たしたSST-33塗料を用いているため、実戦でも有効です。さらに今回、黒ではなく青系統のタイプが手に入りそうなので、新設される予定のヘイロー部隊にも導入を検討・・・」
遠くから声がするような気がする・・・。自分の全身が凍りついているのが判る・・・。
はっとしたように小沢は声をかけた。
「大丈夫ですか?みぃとろさん。顔色が良くありませんよ」
「・・・いえ、元気ですよ」
後で医務室へ行こう。
「ああ、それと・・・」
小沢はデスクからクリアファイルを取り出し、私に見せた。
「無理な機動をしたものですね。整備班の皆さんが驚いていましたよ」
ファイルに閉じられていたのはF-20GとF-15Cの翼の応力検査の結果だった。
・・・酷い結果だ。空中分解する少し前まで来ている。
「特にF-15の結果はすごいものです。後でハンガーへ行ってやってください」
「・・・了解」
行かずに宿舎に戻って泣き寝入りしてやる。・・・絶対。
- 16 HIROKI 2005/07/16 Sat 23:27:04
- 第一ハンガー。8月10日。17時33分。
・・・結局来てしまった自分が哀しい。
「よぉ。ようやく来たか」
ドリーに座って声をかけたのは<厨房のヌシ>。傍らにはコーヒーのポット。
・・・なんでいるの?
「↑松さん。今って夕食の仕込みの時間じゃ・・・」
「あん?暇そうな非番のパイロットに押し付けたに決まってんだろ」
オーシアって・・・ソーディウス基地って一体・・・。
「で、私のイーグルはどうだったんですか?」
私は視線を整備中のF-15Cに向ける。
隣のF-20Gは既に整備が終わっているが、F-15Cは損傷が酷くてそうもいかない。ところどころ装甲を外され、ストレス(応力)が酷いポイントが赤いテープで示されている。まるで満身創痍の猛禽だ。
「あんたのほうが心配だ。あの頑丈なF-15Cがこうなっといて、よく体が持ったものだな」
「まったくですね」
本当に、まったくだ。慣らしも兼ねた飛行とはいえ、普通、機体より脆いのはパイロットだ。
「これが、機体各部の詳細な損傷状況だ」
ヌシがファイルを手渡す。・・・もはや厨房の情報収集能力だとか、上松さんが持ってる奇妙な権威(?)には言及すまい。
思ったとおりというべきか、各部翼の付け根の被害がかなり酷い。パーツの脱落こそなかったが、細かい部分では交換が必要な部品もありそうだ。
・・・思い出してみる。機体と背骨がきしみ、体が相手を『敵』だと認識したあのときを。あの時、何と感じた?
「・・・ふぅ」
ため息が出る。今、途方もない答えが出た気がした。
「明日の訓練までに直せるかなぁ」
「整備の連中が予備機を準備するそうだ。明日の訓練は予備機を使い、明日一日の間にこいつは修理するんだとよ」
「予備機ってファントムか?イーグルは1機しかなかったはずだが」
「おまえさん達が空に上がってる間に、武器商人が運んできた。F-15CとF-20Aが一機ずつとスペアエンジン一式だ」
そういえば、今日は納品日だった。失念するとは私らしくもない。
「タイガーシャークはG型じゃなくてA型なのか?」
「A型しか手に入らなかったそうだ。ノースロップ・グラマン本社を当たったが、N.O.グランダーIG社から圧力がかかったらしい」
そう言ってヌシは不味そうにコーヒーをすすった。顔の苦味は、コーヒーなどとは思えない。
これ以上の会話は雑談以下にしかならないだろう。私はファイルを手に、ハンガーを出ようとした。
↑松の声が私の背とたたいたのはそのときだ。
「なぁ、みぃとろ」
「・・・何ですか」
「鷹は鳩に化ける事ができる。だが、鳩になることは出来ない。・・・今日の訓練でよく解かっただろう」
「『分かって』ましたよ。・・・15年ほど前から」
「それは、『知っている』、だけだろう?」
「今日、そのことは解かりましたよ・・・」
私は、足で自分とハンガーを遠ざけた。
あのまま愛機と一緒にいると、まるで、自分が鷹の一部分から戻れないような気がして。
なぜなら、機体と背骨がきしみ、体が相手を『敵』だと認識したあのとき、私は『歓喜』を感じたのだから・・・。
−−−−−−−−−−−−− 「トム猫は眠らない」end
<後書き>
すみません!!
サイズが4425バイトにもなってしまい。三話目が二分割されてしまいました。
とりあえず、「トム猫は眠らない」はこれにて終了です。
今回、少しだけですが、みぃとろさんの過去が触れられます。
僕の勝手な想像(これが創造と言えるようになりたい)ですので、そのつもりでお願いします。
では。
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- 20 HIROKI 2005/08/15 Mon 09:14:15
- 『むしゃくしゃして(前の話を)焼きなおした。今では反省もしていない。』
−−−−−−−−−−−−−「<風の翼>前夜」〜the Piece of Blue〜
10:45pm。場所はパイロット宿舎。ソーディウス基地のそれは一人一室の個室になっている。
「う〜む・・・・・・」
一人の青年が地図を見ながらうなった。地図はランダース岬沖を示したもの。かなり精密に作られた航空地図だ。
まだ若い。どこか悪童めいた印象を受ける顔立ちだ。部屋の中は散らかり、少年的な趣味が垣間見える。
彼は地図の上のフィギュア、卵の中に入るほどに縮小されたF-5EとF-4Eを睨みつける。
地図上では4本の青い線がタイガーに、同じく4本の赤い線がファントムへと繋がり、飛行経路が示してあった。さらに線上には一定時間ごとの位置、高度、その他の状態が記入されている。
4枚のフィルムを地図に重ねているため、そう見えるのだ。
HIROKIは二つのフィギュアを動かしながらぶつぶつ呟き続ける。
「最初のACMではブレイクして最初のすれ違いでキルされた・・・。二回目も格闘戦に持ち込めずに、あっさり後ろを突かれてキル」
はぁ・・・。ため息が出る。まるで勝ててない。
お互いにペイント弾のみを用いた空中戦。擬似AAMも使わない古典的な訓練だ。ここまで一方的な負け方は珍しいくらいに。
「三回目はかろうじて格闘戦に持ち込めたけど・・・持ち込めただけで結局キル」
フィギュア同士を飛行記録に沿って絡み合わせる。ぶつかり合い、タイガーの主翼が取れた。
「そして今日の4回目・・・」
顔を伏せる。手はもうフィギュアを弄んでいない。
今日の結果。一度は相手の後ろを突くことが出来たが、教本に書いてあるヤツより鮮やかなシザースを喰らい、被撃墜。
なお、4戦とも訓練開始のブレイクから3分以内に撃墜されている。(初戦にいたっては30秒)
「フッ・・・勝つまで数年かかるな」
HIROKIはこめかみを押さえながらつぶやいた。
考えてみれば初めての経験だ。ここまでハイペースの黒星を重ねたことはない。
士官学校では空中戦の勝率は8割を超えていた。キル・レシオにいたっては15を超えたこともある。それがこの基地に来てからは0になった。
・・・思考がまとまらない。HIROKIは愛銃のマテバ6ウニカを腰から抜く。バレルをシリンダーの下部に配置したユニークな銃だ。ノングロスブラックに仕上げ、支給された銃とは別に使っている。
撃鉄を上げる。壁の鏡に映る自分に向けて構え、トリガーを引くまでの動きに遅滞はない。
カシン・・・。
乾いた音を立てて、弾丸は出ない。
だが集中力ならば出た。悪童の顔が戦士の顔に変わっていく。
どうすればみぃとろ少佐に勝てるか。ただそれだけを考える。
みぃとろ少佐の強いところは、弱点が存在しないところだ。4度の空中戦でよくわかった。何度思い出しても動きにクセがないのだ。
しかも鋭く、的確にこちらのクセを突いてくる。
HIROKIは鏡に映る自分の顔に、マテバの狙点を合わせ、睨みつける。
相手に弱点がないのなら、こちらの得意分野で相手をすればいい。しかし、ショートレンジ、格闘戦、いずれも自分の得意分野だ。
つまり、こちらの土俵で戦っても、少佐のほうが能力で優れている。
ならば、どうするか・・・。
「・・・ふぅ」
肩の力を抜き、銃をおろす。空撃ちは銃によくない。いたわるようにホルスターに戻す。
考えなくとも、答えは最初から出ていた。
ホルスターに収めたマテバをベッドの上、枕の横に放り投げる。弾は入っていないので危険はない。
次に自分をベッドに引きずり上げる。
仰向けになり自分の右手をかかげて、見つめた。
「・・・おやすみ」
マテバと右手にそういって、目を閉じた。
格闘戦で少佐を超える。これしかない。
さざなみのような笑いがこみ上げてきた。やはり数年はかかりそうだ。だが、がんばれば明日に縮められるかもしれない。
HIROKIの意識は、夜に沈んだ。
−−−−−−−−−−−−−「<風の翼>前夜」〜the Piece of Blue〜 end
寝起きに書くのはやめたほうが良い。
この作品に誤字、脱字、勘違い、ほかいろいろがあったら、その教訓を皆さんも生かしてください。
いじょう、徹夜明けのHIROKIでした。
- 21 HIROKI 2005/11/06 Sun 13:47:47
- −−−−−−−−−−−−−「サギ」〜heron or deceit?〜
私は駆け引きが苦手な方だ。顔によく出るタイプだからだろうか?
2009.12/6 時刻は9:10pm。第一食堂。
今、その証拠がカードの形になって目の前に並んでいる。
内容をディ−ラーの私が読み上げる。
「HIROKI、ジャックのフォーカード。あいすまんさん、フルハウス・・・」
HIROKIが机に突っ伏し、あいすまんはにやりと笑う。
「まだですよ。みぃとろさん、ハートのストレートフラッシュ」
みぃとろさんがカードを表にする。表情は『勝ち誇った』がふさわしいのかな。
あいすまんさんもさすがに驚いた顔をしている。
どよめきの声を上げたのはHIROKIだ。
「すご・・・。で、hericのは?」
私は静かにカードをオープンする。
「(一同)・・・・・・」
ツーペア。エース二枚にジャック二枚。
「・・・盛り下がらないでくださいよ」
ワイルドカード(ジョーカー)があればフルハウスなんだけどなぁ。あ、それでも負けか。
苦笑する場所かどうか迷ったが、とりあえず苦笑。
「それじゃ、この辺でおいとまさせてもらうよ」
同じく苦笑しながら、みぃとろが席を立った。「では、俺も」とあいすまんも席を立つ。
「ずるいですよ。勝ち逃げですか」
「じゃ、精算しといてくれ」
HIROKIのささやかな文句は無視し、オーシアの2大エースは自室へ帰投した。
2人じゃポーカーはつまらない。(それに押されている)
私も帰ろうかと思っていたら、HIROKIが暇な隊員二人を引っ張ってくるのが見えた。まだやる気らしい。
「・・・まだ続けるのか?」
内心が声になって出てきた。返答は私にだけ聞こえるように耳打ちだった。
「適当なやつを犠牲にして俺の取り分を増やせば、精算のとき楽だもん♪」
悪魔かお前は。
9:20pm。
賭け事はご法度だが、食堂は規則のまかり通らない<聖域>とでも言う空間だ。
現在の戦況、ディーラーはHIROKI。
HIROKI:フラッシュ
heric:ツーペア
隊員A:スリーカード
隊員B:ブタ
レイズで掛け金を吊り上げたHIROKIは、あの悪ガキめいた表情を浮かべている。
10:30pm。
現在のチップ。HIROKIが27枚、隊員A,Bがそれぞれ15枚、私:7枚。
ちなみに全員16枚からスタートし、誰か一人のチップが6枚以下になったらゲームセット。
軽くやばい。
私もさっき隊長と一緒にやめるべきだった。
だが、もっとも不満なのは隊員たちのようだ。
「やってられるか!!」
とうとう一人がキレてカードを叩きつけた。手札は・・・ブタ。
張り詰めかけた空気の中で、一人、HIROKIの雰囲気が変わった。
纏っていた空気は緊迫から殺伐へと変化する。
「このくらいで音をあげてもらっちゃ困るな・・・。
・・・賭けてるのはチップだ。命の次程度の重さだろ?」
経験豊かな狩人は、引き金を引くときに人が変わるという。いまのHIROKIはまさにそうだった。
HIROKIの気迫に負けたのか、一度はキレた隊員の顔が青ざめている。
私はやんわりと聞いた。
「では、HIROKIはどんな駆け引きをした事があるんですか?」
HIROKIは笑った。いや、哂った。いつもの悪がきの笑みではない、悪魔だってまだマシな笑い方をしそうな微笑だ。
「聞きたいなら、全員チップをを全部かけろ。もちろん俺もそうする」
語り部がHIROKIの、奇妙な話が始まった。
−−−−−−−−−−−−−To Be Continued...
- 22 HIROKI 2005/11/09 Wed 22:12:16
- 『恐怖は常に無知から発生する』
−−−−−−−−−−−−−「サギ」〜heron or deceit?〜(2)
HIROKIは自分の手札に視線を落とし、どこか遠くを見ながら話し始めた。
「4年前のエメデュエル事件。知ってるか?」
私は知っている。確か、旧ベルカ過激派のテロだ。
食堂という世界は、追憶に埋もれてゆく。
・・・それは、旧南ベルカ、現ノースオーシアで起こった。
10年間以上潜伏し、チャンスをうかがっていた過激派たちが9機のMig-27Dでエメデュエル訓練基地を強襲。
ちょうど訓練中だった訓練生が15名。10名が撃墜され、9名が死亡。
生き残った5人もPTSDでパイロットの夢を棄て、結局ベイルアウトに成功した一人だけがパイロットになったという。
訓練生を率いていた教官機4機。スクランブル発進した12機。合計16機の内6機が撃墜、3名が死亡。2名が重軽傷。
空軍史上、最悪の事件だ。
―――2006年、2月19日。小春日和。
・・・そのとき彼は空中にいた。
レッドアラート。サイレンがもう何時間もなり続けているような気がするが、時計を見て確認する暇は無い。
高度5000ft。左へ急旋回。捻りを加え、Cの字を描く。
T-38タロンのボディが悲鳴を上げる。無視してスロットルをMAXに叩きこむ。
一瞬前まで自分がいた空間を、30ミリ砲弾がなぎ払っていった。
敵の機影が視界を横切る。まだ若い彼の眼には、敵の姿がはっきりと捉えられた。
白を基調にしたMig-27。彼には死神の薄い羽に見えた。羽音は、甲高いエンジン音となって鼓膜を叩く。
「こなっ・・・くそぉ!!」
所詮、タロンは訓練機だ。武装も経験も無い以上、ベルカのパイロットから見ればカモでしかない。
また一機、彼のそばでタロンが銃撃を食らった。
悲鳴は電波となって飛び続ける。
<誰かぁ!翼が・・・落ちる!助けてくれ!>
教官機もスクランブルで上がっているはずだが、混戦のために無線に答えてくれない。
くそったれ・・・!
くそったれ・・・!
くそったれ・・・!
自分がなにに激情しているのか、自分では説明できそうに無かった。
後ろからはミグが食らいつく。
<ドロセル3、Fox2>
ミサイル接近。回避は不可能。
衝撃は1度。彼は、躊躇せずにエジェクションレバーを引いた。
「・・・うっ、くは・・・」
気がついたとき、彼は白い世界にいた。
口の方に入った雪が、冷たい痛みを与える。彼は、その痛みで自分が生きている事を知った。
あたりは一面の銀世界。いや、森だ。美しい樹氷ができている。今の季節のノースオーシアは、一日の平均気温が-5℃を下回る。
パラシュートを切り離し、持ち物を確認する。
愛銃のマテバM2006が一丁。弾丸は装填済みの6発と、装填用ホルダーが二つなので12発。予備も含め、合計30発。
コンパスと地図。しかし、このあたりは木と雪しかなく、現在位置がわかりづらい。
ビーコンは運悪く壊れてしまったようだ。後はサバイバルパック。
急いで基地へ戻らなければ、餓死か凍死が待ち受けているだろう。
・・・ガサッ。
彼は、撃鉄を上げたマテバを物音のするほうへ向けた。顔は冷気でなく、緊張で凍りついている。
・・・ウサギが1匹、向こうへかけていった。
「・・・ふぅ」
銃を下ろし、息をついた。ついさっきまで神経が張り詰めていたため、いまさらに足が震えてきた。寒さもあるのかもしれない。
そして、彼はある事に気付いた。今のウサギは、もともとオーシアにはいない種類ではなかったか。
そうだとしたら・・・
急いで地図を広げる。エメデュエル基地はかなりへんぴな場所にあり、周辺は山と森に囲まれている。
ベルカから持ち込まれた野うさぎが北側で繁殖してしまい、生態系を崩しているという記事を見た覚えがあった。基地より南へいくと住宅地になり、野良犬が多いため、ほとんどのウサギは基地の北に生息するはずだ。
「・・・これか!」
空戦で必死だったが、真下の景色に山がなかった事だけは覚えている。白すぎる下の景色に、無性に腹が足ったことも。
彼は、地図上のひとつの帯。訓練基地では<ヴァーティカルロード>と呼ばれている一角を指差した。
<ヴァーティカルロード>は山と山との間にできた細長い平野だ。太さはせいぜい2.5〜8kmだが、長さは100km近くにわたり、訓練生のよい目印になっている。
そして何より、この『縦道』は基地へとまっすぐに・・・南北へほぼまっすぐに、続いている。
「距離はわかんないけど、・・・歩けばなんとなくわかるだろ」
彼は、一気に顔を輝かせ、基地へと続く『地獄道』に足をかけた。
−−−−−−−−−−−−−To Be Continued...
文頭、ラルフ・ウォルド・エマーソン(Ralph Waldo Emerson)の言より・・・。
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