ACE COMBAT 5 INVISIBLE THE GOD ENDING PART
前スレッド No.145
- 73 マーシュ 2007/04/08 Sun 23:57:36 DXjf..D3Q.5iAv
- ACE COMBAT 5 INVISIBLE THE GOD ENDING PART
エースコンバット5 インヴィジブル・ザ・ゴッド エンディング
前スレッドで終わるといいながらも、エピローグではみ出てしまいました。その件に関してはお詫びを申し上げます。
サイドストーリーを描くというコンセプトは当初から変わっておりませんが、そこに何を付け加えるかが課題でもあり、醍醐味でもあります。しかし、欲張って多数の要素を取り込んだ結果、予定していたボリュームを上回り、強引にボリュームを縮めてしまい、結局何を目指していたか?という疑問にありつきます。
この作品の足りない部分を補う目的で新たな作品を作る可能性はありますが、まずはその前に小説の書き方というものをもう少し勉強するべきだと感じました。
- 74 マーシュ 2007/04/09 Mon 00:03:49 DXjf..D3Q.5iAv
- Contents 目次
―――――Chapter 1 Phantom Menace 第1章 見えざる脅威
#00 『その時、僕は空中にいた』 Red Alert
#01 『新たな部隊』 The Guardian Eagles Part1
#02 『なりゆき』 The Guardian Eagles Part2
#03 『開戦』 “Open The War” Part1
#04 『ソーズマン』 “Open The War” Part2
#05 『狭間の第1派』 “Naval Blockade” Part1
#06 『ケストレルを守れ』 “Naval Blockade” Part2
#07 『やばいもん見ちまった』 I shouldn't have looked
#08 『海上封鎖線』 “Naval Blockade” Part3
#09 『ヘヴィーなサーフボードだぜぃ』 Kestrel’s Alive
#10 『ミラのシャーベット』 Mira’s Sherbet
―――――Chapter 2 A Blue Dove for the princess 第2章 姫君の青いはと
#11 『姫君の青い鳩』 A Blue Dove for the princess
#12 『タービンの回転が上がらねぇ!』 These turbines won't start up!
#13 『ウォードッグ・リーダー』 Wardog Leader
#14 『初陣』 “First Flight”
#15 『アーチャー』 Archer
#16 『日没の空』 Skies of Sunset
#17 『サンド島からの手紙』 Letters From Sand Island
#18 『待ち合わせはイーグリン海峡で』 “Rendezvous”
#19 『第3艦隊集結』 “Rendezvous” Part2
#20 『艦隊の死』 “Ballistic Missile”
―――――Chapter 3 The Demon of the Razgriz 第3章 伝説の悪魔
#21 『雪の降る空』 Snow Skies
#22 『旅立ち』 Odyssey
#23 『サンド島防衛戦』 “Front Line”
#24 『伝説の悪魔』 Demon of Legend
#25 『Aサット照準』 A-sat Targeting System
#26 『ラーズグリーズの悪魔』 The Demon of the Razgriz
#27 『シンファクシ』 “Scinfaxi”
#28 『ミラのカキ氷』 Mira’s Frappe
#29 『悪夢?』 The Doom?
―――――Chapter 4 Road to Yuktobania 第4章 ユークトバニアへの進軍
#30 『食卓の鬼神』 The Cock of Round Table
#31 『15年前』 “15 Years Ago”
#32 『ザ・ベルカン・ウォー』 THE BELKAN WAR
#33 『円卓の騎士』 The Knight of the Round Table
#34 『ベルカのお肉』 The Belkan Beef
#35 『憎しみの連鎖』 “Chain Reaction”
#36 『コインの表側』 Face of the Coin
#37 『進軍』 Road to Yuktobania
#38 『あおいはと』 A Blue Dove for the princess Part2
#39 『紅の海』 Crimson Sea
#40 『戦闘開始』 Engage
―――――Chapter 5 A Fateful Encounter 第5章 運命の再会
#41 『戦闘機乗りの名誉にかけて、一歩も引き下がるな!』 Knight of the Skies
#42 『今こそイージス(盾)の使命を果たす』 Aegis
#43 『女将アンダーセン』 Admiral Mao Andersen
#44 『ゴールゥビ・ガルボーイ』 Blue Dove
#45 『運命的な再会』 A Fateful Encounter
#46 『ユークトバニアの精鋭』 The Republic Commando Part1
#47 『オーシア海軍の剣士』 Swordsman
#48 『リパブリック・コマンド』 The Republic Commando Part2
#49 『この大空にオーシアの翼をはためかせん』 The Wing of the Osean
#50 『決別への引き金』 The Trigger
―――――Chapter 6 The Blue Skies of Promise 第6章 約束の青空
#51 『解放。そして、告別』 Call of the Freedom
#52 『お帰りヘンダーソン君』 Mr. Henderson Welcome Back
#53 『丸刈り頭の兵士たち』 jarhead
#54 『グリム兄弟』 brother’s Grimm
#55 『約束の青空』 The Blue Skies of Promise
#56 『あの空の向こうへ』 He’s Wings
#57 『ブルースカイ・オブ・プロミス』 The Blue Skies of Promise Part 2
#58 『約束』 Promise
#59 『ラーズグリーズの帰還』 Retune of the Razgriz
#60 『ゼロ・アワー』 Zero Hour
- 75 マーシュ 2007/04/09 Mon 00:11:18 DXjf..D3Q.5iAv
- ―――――Chapter 7 Skies of Gladiator 第7章 虚空の剣闘士
#61 『砂漠の矢』 “Desert Arrow”
#62 『砂漠の電撃』 “Desert Lightning”
#63 『師団司令部なんてくそらくえだ』 Fool of the division HQ
#64 『プライベート・イアン』 Saving Private Ian
#65 『ヘルヴォルの守護神』 Guardian of the Hervor
#66 『ヴァチャーズィ』 Yuktobanian Knights
#67 『スカイ・オブ・グラディエーター』 Skies of Gladiator
#68 『戦う理由』 Why We Fight
#69 『エース対エース』 ACE COMBAT
―――――Chapter 8 Osean Assault 第8章 オーレッド強襲
#70 『運命の闘い』 The Duel of the Fates
#71 『堕ちる』 Fall of the Wings
#72 『戦争を支える王者』 The Lord of the War
#73 『JOURNEY HOME』 ”Journey Home”
#74 『8492飛行隊』 “8492”
#75 『ラーズグリーズ・ダウン』 Razgriz Down
#76 『迫り来る混沌のオーラ』 Chaos Aura Coming
#77 『オーシアン・アサルト』 Osean Assault
#78 『オーレッド強襲』 Attack on the Oured
―――――Chapter 9 Deus Ex Machina 第9章 機械仕掛けの神
#79 『西部戦線異常あり』 The West Front
#80 『オーレッドの戦い』 Battle of Oured Part1
#81 『深い感銘を与える』 Battle of Oured Part2
#82 『巨大の名を持つ戦艦』 Battleships Incoming
#83 『神のめざめ』 Awakening of the God
#84 『死にたくなかったら道を開けな』 Cross Fire
#85 『金色の馬』 Golden Horse
#86 『私を怒らせたら、どうなるか分かっているんだろうね?』 Heretic Commander
#87 『機械仕掛けの神』 Deus Ex Machina
―――――Chapter 10 Resurrection of the Razgriz 第10章 ラーズグリーズの復活
#88 『デウス・エクス・マキーナ』 Deus Ex Machina PartU
#89 『業 −カルマー』 Karma
#90 『ふたたび。 リザレクション・オブ・ザ・ラーズグリーズ』 Repetition:Resurrection of the Razgriz
#91 『ミラのクリスマスケーキ』 Mira’s Christmas Cake
#92 『ヘルヴォル飛行隊』 The Hervor Squadron
#93 『シーニグラード解放作戦』 The Last Operations
#94 『丘でのにらみ合いが終わる』 End of Standoff
#95 『最後の始まり』 Final Engage
#96 『アスガルドの丘』 Asgard Hill
#97 『バタリオン・リーダー』 The Battalion Reader
―――――The Last Chapter ”INVISIBLE THE GOD” 最終章 インヴィジブル・ザ・ゴッド
#98 『再来、ユークトバニア共和国の特殊部隊』 Advent:The Republic Command
#99 『アドラー』 Adler ―Wing of the Grander I・G―
#100 『審判:目に見えない神』 JUDGMENT:THE INVISIBLE THE GOD
#101 『壁なき世界』 A World With No Walls
#102 『ラグナロクの始まり』 Introduction of Ragnarok
#103 『再臨:目に見えない神』 Advent:The Invisible the God
#104 『昇華:目に見えない神』 Sublimation:The Invisible the God
#105 『混迷の世界』 World of Chaos
―――――PartU ADHOC CARMINA 第2部 アドホック・カルミナ
#106 『混迷の終わり そして、最後の旅立ち』 End of Chaos And Final Odyssey
#107 『神の子羊』 Agnus Dei
#108 『覚醒:目に見えぬ神』 Awakening:Invisible the God
#109 『最後の決戦』 Armageddon
#110 『約束の空間』 Promised Place
#111 『ACES』 ACES
#112 『暁のシーニグラードの空、二つの翼は冬の嵐と共に戦に終幕を下す』 “Winter Storm”
―――――PartV RENOVATIO 第3部 リノヴァティオ
#113 『ジ・アンサング・ウォー』 “THE UNSUNG WAR”
#114 『対決』 ”ZERO”
#115 『謳われぬ英雄』 ”Unsung Hero”
#116 『想いは引けない。 勝利を求めよ』 Seeking Victory
#117 『最後の別れ』 Last Goodbyes
#118 『決着』 End Game
#119 『戦いの終わりに』 At Wars End
#120 『帰還』 The Retune
Epilogue1 『メダル・オブ・オナー』 Marshal’s Episode Medal of Honor
Epilogue2 『解放への戦火』 Brother’s(Ben and Noah) Episode The Next Generation of Aces
Epirogue3 『ミラのウェディングケーキ』 Mira’s Episode Mira’s Wedding Cake
Epirogue4 『ジャーニー・ホーム』 Stella’s Episode “The Journey Home”
Epirogue5 『新たな未来』 Scot's Episode New Future
- 76 マーシュ 2007/04/12 Thu 00:02:38 DXjf..D3Q.5iAv
- ――――――――――エピローグ:スコット編 『新たな未来』 Scot’s Episode PartT New Future
―――Location:Heierlark Air Force Base オーシア・ハイエルラーク空軍基地
「ガーディアン・オブ・ヘルヴォル、緊急発進急げ!」
「除雪チームへ、こちら管制塔。スクランブルにつき、至急滑走路から退避せよ!」
スコットはステラ、アレックス、アキラ。そしてリチャードとアンナ率いる第2分隊とともにハイエルラークからスクランブル発進した。現在、オーシア首都オーレッド向けてアンノーンが多数接近しているらしい。既に他の空軍基地からも迎撃に向かっている部隊もいるが、敵はかなりの数らしい。
「離陸を確認した。貴隊の幸運を祈る」
「イーグル1から各機、状況を報告」
「こちらファイアフライ。 イーグル2準備良し!」
「こちらカエルム。イーグル3スダンバイ!」
「イーグル4、ノヴァ。準備完了!」
「イーグル6、イーオン。準備良し」
「こちらリソナ。 イーグル5からイーグル8スダンバイ! 全機戦闘準備完了!」
現在レオン・ライト・ブルーベル大佐率いる502航空隊フィルマ大隊をはじめとする首都防空部隊が迎撃に出ているそうだ。スコットらもその支援に向かうべく、オーレッド上空へと急行した。事前情報によれば、首都オーレッドに向かっているなぞの航空機は国籍どころか機種まで未確認であり、既にその敵部隊と交戦した2個飛行中隊が壊滅に追いやられたらしい。そして、そのアンノーン部隊はそのままオーレッドを目指している。
――――――Location:Osea Oured 201X オーシア、オーレッド上空 201X年
「こちら空中か、管制機ブルー・ドヴ。ヘルヴォル飛行隊へ。現在502戦術航空隊フィルマ大隊及び、がアンノーンと交戦しています。皆さんはこれを支援し、アンノーンを排除してください」
空は黒い雲で覆われ、雨が降る中雷が鳴っている。雷の音とブルー・ドヴの管制官ジェシカの声以外何も耳に残らない。
「ヘンダーソンか!?来てくれて嬉しいぞ! こちらアマデウス。ブルーベル大佐だ。アンノーンとの戦闘により友軍と指揮下の3グループが壊滅した!」
フィルマ大隊は5チームで20機の大編隊だが、既に3チーム12機が撃墜されているようだ。しかも友軍部隊は全滅してしまった上アンノーンは損害無し。依然としてオーレッドの空を支配しようとしている。
「ブルー・ドヴからヘルヴォル隊各機、まもなく交戦エリアに突入します! エンゲージに備えてください!」
スコットらのヘルメットのバイザー。ヘッド・マウント・ディスプレイにようやくブルーベル大佐らの部隊とそれと交戦するアンノーンが表示される。だが、その機体。何処かで見た覚えがある。そう、前の戦いの最後でバクーニンが乗っていたアドラーと形状が似ている。そして、ジェシカの報告により、そのアンノーンはアドラーの空中戦向け使用の戦闘機「ファルケン」だと判明した。
- 77 マーシュ 2007/04/13 Fri 00:33:10 DXjf..D3Q.5iAv
- ――――――――――『リノヴァティオ』 Scot’s Episode PartU Renovatio
「こちらAWACSブルー・ドヴ。 アンノーンはグランダーIG社が設計した新型戦闘機 “ファルケン Z.O.E” だとの情報が入りました。この機体は先の戦いでヘンダーソン大尉が交戦した「アドラー」のベースとなった戦闘機の改良版です! Z,O,E(ゾーイ)と呼ばれるAIを搭載し、この機体は完全自動制御されています!気をつけてください!」
そのとき、1機のファルケンがヘルヴォル飛行隊向けて真紅のレーザーを発射。編隊左方にいたイーグル7とイーグル8を破壊してしまった。スコットはすぐに他の寮機を散開させてブルーベルの加勢に入る。
「ロックオン。 イーグル1、フォックス2」
スコットはファルケンの正面を素通りするように斜め前方を通過し、ミサイルを側面に発射。ミサイルはファルケンの真正面から突っ込んでいくが、ファルケンは朝飯前といわんばかりに機関砲でミサイルを迎撃した。
「いけいけいけいけ……! くそ、落ち落とされた!ミサイルが命中しない! ヘンダーソン大尉、どうしますか!?」
「アレックス! ミサイル! ブレイク!」
ファルケンは直にアレックスの後方に回り込みミサイルを発射。彼は1発目を避けたものの、2発目の直撃を受けて機体が大破。やむを得ずベイルアウトした。 更に敵機に追われるフィルマ大隊所属の友軍機を援護していたアキラが敵の追撃を受け、撃墜されてしまう。
「アマデウスから各機へ!一歩も退(しりぞ)くな! 首都の制空権をやつらに渡すわけには行かない! 増援部隊が来るまで持ちこたえろ!」
ストライク・イーグルは優秀なマルチロール機だが、圧倒的戦闘力を持つファルケンの前にはほぼ無力であった。ブルーベル率いるストライク・イーグルの部隊も次々と撃墜され、残っているのはブルーベル本人と副官の一人であるアニー・マクラーレンとごく少数の隊員たちだけである。
「限界だ! アニー・ファイブ脱出する!」
「―――ブルーベル大佐、こちらアニー。このままでは全滅します! 撤退を!」
「アニー、わかっているだろ! ここはオーレッドのほぼ真上だ!撤退はありえない!」
ここはもう既に市街地の真上である。撃墜された友軍機の殆どは敵機が市街地上空に差し掛かる前の空域で撃墜されたので、地上の民間施設に被害は無かった。しかし、これ以上は絶対に引き下がれない。制空権を奪われてしまえば、何をされるかわからない。
「け、警告! 更に国籍不明機の接近を確認!」
更にアンノーンが戦闘空域に乱入したことを告げるジェシカ。
「AWACS! こちらムスタング。敵増援部隊の数を教えてくれ」
「数は……1機です! ファルケンZOEとはまた違う機体です。警戒してください!」
雷雲の中から戦闘空域に飛び込むアンノーン。ものすごく早い。 ファルケンの速度も通常の有人航空機に比べればかなり早いものであるが、今飛び込んできたアンノーンはそれを遥かに超越する。 そのくろがねの翼、形はVの字形状のブーメランを重ね合わせたような形をしている。
(―――これがサブリメーションか。 なるほど。 こんなものか。 思ったほど簡単だな)
- 78 マーシュ 2007/04/14 Sat 13:19:39 DXjf..D3Q.5iAv
- ――――――――――― 『昇華』 Scot’s Episode Part V Sublimation
突如現れたアンノーンは予想外の行動に出た。このアンノーンはスコットらと交戦するファルケンZOEに目掛けて数十発のミサイルを発射。そのミサイルの物量で一気に押しつぶした。被弾したファルケンは落ち葉のように乱れながら降下し、オーレッド湾へと姿を消した。
(―――スコット。たかがZOEに何を手間取っている?)
その新手のアンノーンからの通信。 バクーニンの声だ。
「バクーニン!? 何故君が!?」
(今はそれどころではないだろう? まずはグランダー社の亡霊を片付けるぞ!)
彼は死んだはずだ。そうでなければレールガンがV2をオーレッドに発射して大惨事になっているはずである。だが、今は彼の言うとおり目の前の敵に対処するのが先決である。前回の戦いも同じような感じだったが、そんな些細なことを考えるのは後ででも良いだろう。スコットは生き残った仲間とバクーニンと連携して交戦を続ける。
「ようし、後4機だ! 各機攻撃を継続しろ!」
バクーニンの登場によりスコットたちにも勝利が見えてきた。ブルーベルの部隊は副官のアニーを残して全滅してしまったが、敵の残りがあと4機であればどうにかなる。そう確信して一同は攻撃を続けた。 中でもバクーニンの機体は通常では考えられない機動でファルケンを叩き落してゆく。エアブレーキを用いてブーメランのように回転しつつレーザーを瞬時にして後方に発射したりしているが、まずそんなことをすれば中に乗っている人間が持たないだろう。それに、そんな無茶な機動に対応できる機体はこの時代に存在するはずが無い。
「やったわ! こちらイーオン、敵を撃墜!」
アンナが最後のファルケンに止めをさした。偶然かは判らないが、最後のファルケンを撃墜した直後に雨が降り止み、空が明るくなってきた。まるで世界が闇から解放されるかのように。
「こ、こちら、AWACSブルー・ドヴ。 敵の全滅を確認しました。 帰還してください」
- 79 マーシュ 2007/04/14 Sat 13:20:23 DXjf..D3Q.5iAv
- ―――――――――――終章 『知られざる真実と永久の旅』 Eternal Odyssey
バクーニンが操っていると思われる戦闘機はハイエルラーク基地に着陸した。なぞの戦闘機はそのまま滑走路から駐機場、格納庫へと機体を進め、そこで停止した。 基地の職員は銃を手にそれを待ち構えたが、後からやってきたスコットがそれを押しのけ前へと出た。そして、すぐにその戦闘機のコックピットへと駆け寄る。
「バクーニン……!」
その戦闘機のキャノピーが開かれ、バクーニンが姿を現すかと思ったが、誰も乗っていない。これも無人機だというのか? 背後でも基地職員やスコットのウィングマンが顔を見合わせている。
(―――久しぶりだな。 スコット)
「バクーニン! 何処に居る!?」
(お前の目の前だ)
だが、あるのは戦闘機だけ。 すると、コックピットの中央にホログラムが。いわゆる立体映像が浮かび上がり、そこにバクーニンの姿が表示される。
(見てのとおり、俺の肉体はこの世界にはもう存在しない。まあ、それは知っているだろうな。 俺は地獄か天国かは良くわからないが、たぶんあの世という場所に行き着いた。そこで “肉体を出(い)で昇華(サブリメーション)し、新たな世界の創造に参加しないか” と誘われた)
サブリメーション。確か、あの時にハウエルが全ての人類を昇華させると言っていたことだろう。だが、バクーニンも昇華してしまったのだろうか?
(ただ、グランダーIGの残党がZOEで首都オーレッドに報復攻撃を加えるって聞いたから、俺“たち”はそこで極秘扱いだった戦闘機「ナイトレーベン」の設計図を元にそれと同じものを作り出した。お前に借りもあったからな。 あと、こっちはアンジェラ。そっちはアントン。後ろはイーサンとジェイクだ)
バクーニンの周囲に4名のホログラムが表示されている。彼によるとこの人物らはサブリメーション後に行き着く世界『エレクトロスフィア』の管理人、設立者だそうだ。また、そのナイトレーベンとかいう戦闘機だが、これは設計そのものが完成していたものの、中に乗る人間がその機動性に耐えられないと言う事から凍結されていた代物らしい。だが、バクーニンらにとってそれは関係が無いので問題なく使用できたそうだ。エレクトロスフィアやその他の区間に大きな負担を与えつつも、インターフェース。いわゆる現実世界との接合点である部分を通してナイトレーベンをスコットらの世界にサブリメーションさせたと言うのだ。
(―――そろそろ時間だ。分かっているな?)
先ほどバクーニンがイーサンと呼んだ人物がそう呼びかける。
(ああ。 スコット。もうインターフェースが限界らしい。ビッグバン現象によりナイトレーベンをサブリメーション出来る様にインターフェースをこじ開けたんだが、やはり負担が大きすぎた。 とにかく、お前に借りを返しにきた。それだけだ。 じゃぁ、またな)
一方的に話した後、5名のホログラムは消滅。ナイトレーベン自体も光の粒子となり消滅した。またはエレクトロスフィアにサブリメーションしたのだろう。 しかし、死んでも借りを返しに来るとは相当プライドが高いのか友達想いなのだろう。
「……ありがとう、バクーニン」
All Complete
- 80 マーシュ 2007/04/21 Sat 19:51:57 DXjf..D3Q.2GNB
- ―――あとがきみたいなもの。
とりあえず、ここでこの話は終わりです。(実はもう少し続きがある
特に狙ったとかいうわけではないのですが、前作「円卓の夜」の2倍のボリュームに。 その部分を考えると、前回のほうがきれいにまとまっていたような気がします。まだ語りきれて居ないエピソードが山ほどありますが、これは後々の作品で徐々に明らかにしてゆくという形になるでしょう。
当初は「ラーズグリーズの英雄になり損ねた人物」というコンセプトで書き始めたこの作品。
主人公であるスコットは当初サンド島に所属し、運命的に他部隊へ転属してしまいラーズグリーズとなる機会を奪われつつも、彼は違う道で活躍してゆく。 という案だけは形になったかも。
バクーニン。当初は登場する予定の無かった人物。でも、敵側には主人公に匹敵するライバルがほしいということで登場させました。でも、彼の全てを公開できず少々心残り....OTL (これは前作のアンジェラ・ハリソンにも言えること
結論(?
正直、適切な言葉が見当たりませんが、まだ全てを語りきれていないので、今後の作品の題材として形となるかも。
最後に、異常なまでの乱文、長文失礼いたしました