ACオリジナルストーリー投稿スレッド by 羽前海豹
No.72
- 1 セル ◇A7zTR6W7RQ 2005/03/14 Mon 19:48:23
- 重ねて新カテゴリ創設お疲れさまです。
さっそくながら投稿させていただきますとともに新スレッドを立てさせていただきます。
- 2 セル ◇A7zTR6W7RQ 2005/03/14 Mon 19:56:25
- プロローグ
余命一年、それが僕に与えられた時間。医者は僕に「杭の無いように余命を生きて欲しい」などと言われていた。
17年間サンサルバシオンに住んでいた僕は、本物の海を見た事が無かった。南に行けば大きな湖があるが、あれでは物足りないというか…とても中途半端な表現だが、海にはこの湖にない物がある。そう信じていた。
中学を卒業する少し前からもう長くない事を知らされていた僕は、高校には行かず、のんびりと死ぬのを待っていた。
のんびり何をしていたかと言うと、意味のないネット徘徊。そんななか、あるサイトで知り合った友達がいた。彼はノースポイントという僕の住んでいる所から北東にある島国に住んでいて、先の大戦(ユージア戦争)を経験した軍人だと語った。「一度来て見たら?」という誘いを前にされたことがあったが、簡単に行ける距離ではないし、第一僕の体の事を考えると長距離の移動は厳しいという自身の判断があり、忘れていたその誘い。もう燃えつきかかっている蝋燭の火だ。それが消える前に、海を見ておこう。その気持ちで僕はノースポイントに長期滞在をすることにした。
ACE COMBAT ――flock of aces―――
「メビウス4、R/W18への着陸を許可する。320から5ノットの微風。視界不良、CAT2」
「了解ラジオ。ギアは出ていますか?」
「…今確認した、問題はない。着陸後グラウンドにコンタクト114.6」
「了解」
飛行機を操縦するにあたって最初にてこずるのはランディングである。地面が迫ってくる恐怖。加工する速度が速ければギヤが折れ胴体着陸、のろのろとアプローチすれば滑走路手前で失速する危険がある。俺はその様子を見ている。
先の大戦後、ユージアでは新たなテロ組織が兵力を蓄え始めたという非公式情報が入ってくるようになり、どうやらベルカ人が後を引いているらしいという噂も軍部内で小耳に挟むようになった。
劇的な終戦宣言から半年。オーシアのハーリング大統領がすべてを語らない以上、我々ISAFは独自に情報を収集・解析し、脅威に対応出来る体制に移行する必要があった。しかし、判明したことはベルカ公国が裏に存在すること、オーシア内で対立が起こったこと、それと謎の言葉「ラーズグリーズの悪魔」である――諜報部はこれを暗号や合図ではないかと解釈している。私にはなにかの固有名詞ではないかと考えているが。リボンのエンブレムなら何と答えただろうか、それを確かめる術はない。
彼は自由エルジアの討伐にたったの一人で出撃し、驚異的なことにミッションを成功させた。しかし帰還中突然のレーダーロスト。墜落説や亡命説、はたまた宇宙人が連れ去って行った等いろんなことが言われているが、残骸や他国からの発表はまだ来ていない所から見ると、本当に宇宙人が連れて行ってしまったのかもしれない。
「……ビウス2、メビウス2!みぃとろ!」
「ぇ…ぁ、こちらメビウス2」
「ホールドを解除、ファイナルアプローチ。ラジオと交信せよ。周波数128.6」
「ラジャー」
ギア、およびフラップを下げる。ILSからの情報がニードルとしてHUDに表示される。視界が更に悪化してきている。
「メビウス2、R/W18への着陸を許可。現在風は吹いていない。アウターマーカーを通過」
「ウィルコ」
高度200ft、速度は150kt。ベロシティーベクトルは-5から-10の間ぐらいをさまよう。エアブレーキを展開して減速。高度がどんどん下がる。100、50、25、0…軽い衝撃。50ktあたりからはフットブレーキも踏む。完全に停止する前に管制官から連絡が入る。
「グラウンドとコンタクト、121.7。速やかに滑走路を開けてくれ」
<次回予告>
・・・ないです。すみません(┬_┬ゞ